INSIGHTS
見積り作成を“自動化”する構造 — 中小企業の工数とミスをゼロにする実装プロセス
見積り作成を“自動化”する構造
中小企業の工数とミスをゼロにする実装プロセス
見積り作成は「手を動かす作業」が多い典型的なムダ業務 です。
- Slackで依頼が飛ぶ
- Excelを開く
- 金額を計算
- PDF出力
- メールに添付
- Slack報告
- スプレッドシート保存
どれも単純な作業なのに、人がやると ミス・漏れ・時間奪取 が発生します。
INCIERGE ではこれを 完全に自動化し、担当者の作業時間を“ゼロ”にする仕組み を実装しました。
本記事では、その 実装構造(Structure)→ 解決する課題 → 成果 を“中小企業の経営者向け”に分かりやすく整理します。
## 1. なぜ見積り作成はムダが発生するのか(構造分析)
見積り業務が属人化しやすい理由は明確です。
● A. 依頼チャネルがバラバラ
Slack、メール、電話…
依頼が散らばると 漏れ が起きやすい。
● B. 条件・金額の転記ミス
人の入力は必ず揺れます。
計算式も人によって違う。
● C. PDF の生成・送付は完全に機械的作業
価値を生まない単純作業が大半。
● D. 進捗(送付済み/未送付)がブラックボックス
上司が状況を把握できず、属人性が高い。
## 2. INCIERGE が実際に構築した“自動化フロー”(実装ベース)
ここでは 推測ゼロ、
実際にあなた(unk)が INCIERGE の案件で実装した内容のみを記述しています。
① Slack で「/estimate」で依頼受付
- 担当者が Slack で
/estimate - 商品名・数量・オプションなどを入力
- Cloudflare Functions または GAS が受信
- イベントIDで重複防止
→ 依頼が1つのチャネルに統一され、漏れゼロ。
② Google スプレッドシートで金額自動計算
- 入力値をシートに自動追加
- 計算ロジックは共通化
- 単価変更も1箇所で管理
→ 担当者ごとに金額がブレる問題を完全排除。
③ PDF 見積書を自動生成
- GAS の PDF化機能を使用
- 社名・日付・見積番号も自動採番
- レイアウトはテンプレート化
→ PDF制作の作業工数が完全ゼロ。
④ メール自動送信
- 顧客宛に PDF を添付して送信
- 担当者にも CC
- 過去ログも自動保存
→ 「送ったつもり」「添付し忘れ」などの事故が消滅。
⑤ Slack に結果を自動通知
- 「見積書送付完了」
- PDF プレビュー
- 反応しやすい短文サマリ
→ チーム全員がリアルタイムで状況を把握。
⑥ エラー検知・再送防止ロジック
- 送信失敗 → 自動リトライ
- 同じ依頼が2回処理されないよう、
イベントIDでブロック(Slack bot と同じ構造)
→ 属人性がなくなり、運用が壊れない。
## 3. 導入後に起きた“定量的な変化”(成果)
実装後、クライアントで実際に起きた変化です。
● 作業時間:1件あたり15〜20分 → 0分
依頼 → 送付 まで人間の手が完全にゼロに。
● ミス(計算・添付忘れ)が事実上ゼロに
計算式の統一&自動処理により、
「金額が担当者によって違う」という問題も解消。
● Slack で状況が見える化
上司・チーム全員が進捗を把握できる。
● 処理速度
依頼して数秒でPDFが送付される。
→ 顧客の反応速度も上がり、受注率が改善。
## 4. 中小企業が“見積り自動化”から始めるべき理由
● 1. 最初に効果が出る
どの業種でも存在し、必ず改善余地があるため。
● 2. 自動化の体験価値が高い
「0 → 1 の破壊力」が経営者に刺さる。
● 3. 再利用できる
見積りロジックは、
- 請求書
- 注文書
- 契約更新通知
などにも展開しやすい。
● 4. 既存フローを壊さない
Slack → GAS → PDF → メール → Slack
という 王道のスモールスタート で導入できる。
## 5. 実装に必要な技術スタック(INCIERGE 実績)
- Slack API(Slash Command)
- Google Apps Script(スプレッドシート / PDF化)
- Gmail API
- Cloudflare Functions(高速レスポンス)
- イベントID管理(再送防止)
- Notion / スプレッドシートへの台帳記録
- Aegis(将来的な暗号化レイヤ統合も可能)
すべて INCIERGE が実際に構築済みの要素 です。
## 6. まとめ — 見積り自動化は“構造化の入口”
見積り作成は、
「手順がある」「例外が少ない」「自動化の恩恵が大きい」
という3条件を満たすため、
業務OS化(構造化)への最初の一歩として最適 です。
AIや自動化は“目的”ではありません。
会社の仕組みを整えるためのエンジン です。