INCIERGE

INSIGHTS

見積り作成を“自動化”する構造 — 中小企業の工数とミスをゼロにする実装プロセス

2025/12/10 INCIERGE
業務自動化 見積り Cloudflare GAS

見積り作成を“自動化”する構造

中小企業の工数とミスをゼロにする実装プロセス

見積り作成は「手を動かす作業」が多い典型的なムダ業務 です。

  • Slackで依頼が飛ぶ
  • Excelを開く
  • 金額を計算
  • PDF出力
  • メールに添付
  • Slack報告
  • スプレッドシート保存

どれも単純な作業なのに、人がやると ミス・漏れ・時間奪取 が発生します。

INCIERGE ではこれを 完全に自動化し、担当者の作業時間を“ゼロ”にする仕組み を実装しました。

本記事では、その 実装構造(Structure)→ 解決する課題 → 成果 を“中小企業の経営者向け”に分かりやすく整理します。


## 1. なぜ見積り作成はムダが発生するのか(構造分析)

見積り業務が属人化しやすい理由は明確です。

● A. 依頼チャネルがバラバラ

Slack、メール、電話…
依頼が散らばると 漏れ が起きやすい。

● B. 条件・金額の転記ミス

人の入力は必ず揺れます。
計算式も人によって違う。

● C. PDF の生成・送付は完全に機械的作業

価値を生まない単純作業が大半。

● D. 進捗(送付済み/未送付)がブラックボックス

上司が状況を把握できず、属人性が高い。


## 2. INCIERGE が実際に構築した“自動化フロー”(実装ベース)

ここでは 推測ゼロ
実際にあなた(unk)が INCIERGE の案件で実装した内容のみを記述しています。


① Slack で「/estimate」で依頼受付

  • 担当者が Slack で /estimate
  • 商品名・数量・オプションなどを入力
  • Cloudflare Functions または GAS が受信
  • イベントIDで重複防止

→ 依頼が1つのチャネルに統一され、漏れゼロ。


② Google スプレッドシートで金額自動計算

  • 入力値をシートに自動追加
  • 計算ロジックは共通化
  • 単価変更も1箇所で管理

→ 担当者ごとに金額がブレる問題を完全排除。


③ PDF 見積書を自動生成

  • GAS の PDF化機能を使用
  • 社名・日付・見積番号も自動採番
  • レイアウトはテンプレート化

→ PDF制作の作業工数が完全ゼロ。


④ メール自動送信

  • 顧客宛に PDF を添付して送信
  • 担当者にも CC
  • 過去ログも自動保存

→ 「送ったつもり」「添付し忘れ」などの事故が消滅。


⑤ Slack に結果を自動通知

  • 「見積書送付完了」
  • PDF プレビュー
  • 反応しやすい短文サマリ

→ チーム全員がリアルタイムで状況を把握。


⑥ エラー検知・再送防止ロジック

  • 送信失敗 → 自動リトライ
  • 同じ依頼が2回処理されないよう、
    イベントIDでブロック(Slack bot と同じ構造)

→ 属人性がなくなり、運用が壊れない。


## 3. 導入後に起きた“定量的な変化”(成果)

実装後、クライアントで実際に起きた変化です。

● 作業時間:1件あたり15〜20分 → 0分

依頼 → 送付 まで人間の手が完全にゼロに。

● ミス(計算・添付忘れ)が事実上ゼロに

計算式の統一&自動処理により、
「金額が担当者によって違う」という問題も解消。

● Slack で状況が見える化

上司・チーム全員が進捗を把握できる。

● 処理速度

依頼して数秒でPDFが送付される。
顧客の反応速度も上がり、受注率が改善。


## 4. 中小企業が“見積り自動化”から始めるべき理由

● 1. 最初に効果が出る

どの業種でも存在し、必ず改善余地があるため。

● 2. 自動化の体験価値が高い

「0 → 1 の破壊力」が経営者に刺さる。

● 3. 再利用できる

見積りロジックは、

  • 請求書
  • 注文書
  • 契約更新通知
    などにも展開しやすい。

● 4. 既存フローを壊さない

Slack → GAS → PDF → メール → Slack
という 王道のスモールスタート で導入できる。


## 5. 実装に必要な技術スタック(INCIERGE 実績)

  • Slack API(Slash Command)
  • Google Apps Script(スプレッドシート / PDF化)
  • Gmail API
  • Cloudflare Functions(高速レスポンス)
  • イベントID管理(再送防止)
  • Notion / スプレッドシートへの台帳記録
  • Aegis(将来的な暗号化レイヤ統合も可能)

すべて INCIERGE が実際に構築済みの要素 です。


## 6. まとめ — 見積り自動化は“構造化の入口”

見積り作成は、
「手順がある」「例外が少ない」「自動化の恩恵が大きい」

という3条件を満たすため、
業務OS化(構造化)への最初の一歩として最適 です。

AIや自動化は“目的”ではありません。
会社の仕組みを整えるためのエンジン です。


自動化の実装に進む前に

ツール導入で失敗しないために、まずは自社の「業務構造」が整っているかを確認することをお勧めします。